REPORTレポート
代表植村の自伝的記憶
ポルトガルのインフラ大手は売上高の8割がアフリカ、ラテンアメリカ。日本の建設大手も人口減の日本を飛び出し世界へ
TAG
先日、出張でポルトガルとスペインに行ってきました。ポルトガルは「SHIKKAI Fund(悉皆ファンド)」というソーシャルインパクトファンドの立ち上げを一緒に進めている3XPGlobalやガーナの有料道路PPPパートナーであるMota Engil、スペインは浦賀プロジェクトでパートナーになるOcean Capital Partnersやスペインを代表するインフラ企業などのトップに会い、インフラの世界情勢や今後の取り組みについて協議してきました。
それぞれの企業と進めているプロジェクトについては別の機会にお話ししますが、彼らと会うたびに感じるのは、ポルトガルやスペインの企業のしたたかさです。
みなさんもご承知のように、スペインやポルトガルは、一度は世界の覇権を握った国々です。ポルトガルは15世紀後半から17世紀初頭の大航海時代、世界の海上交易をベースにした海上帝国を築き上げました。同様に、スペインも1580年にポルトガルを併合。“新大陸”から得た銀や金で軍事力を強化し、世界中に植民地を広げました。
もっとも、「太陽の沈まない国」と称されたスペインも、オランダやイギリスの台頭によって衰退。今も欧州連合(EU)の主要国ではありますが、その中心にいるわけではありません。日本は経済での覇権を米国と競った時期もありましたが、バブル崩壊後の惨状は見ての通り。長期的に衰退傾向にあるという点では、ポルトガルやスペインに近しいものを感じます。
ただ、現地の企業経営者と深く付き合うようになって、彼らの海外市場を攻める貪欲さを見習うべきだと思うようになりました。
ポルトガルの人口は1000万人強と東京都の人口に遠く及びません。スペインにしても4900万人ほどと、日本の人口の半分以下です。このように自国での内需があまり期待できないため、成長を目指すのであれば、基本的に企業は海外で稼ぐ以外にありません。
現に、ポルトガルのインフラ建設大手、Mota Engilの2024年の売上高・約1.1兆円の8割はラテンアメリカとアフリカの売り上げです。2020年以降、これらの地域の売り上げを伸ばし続けています。
それではどこで収益を稼いでいるのかというと、その中心となっているのはそれぞれの言葉が通じる旧植民地諸国です。ポルトガルであればブラジル、アンゴラ、モザンビークといった国々。スペインであれば中南米の国々やフィリピン、モロッコなどが該当します。
インデックスストラテジーは今年のTICAD9でモザンビークと有料道路PPPのMOU(基本合意書)を締結しましたがパートナーの3XP Globalは旧宗主国ということもあり、モザンピークの政財界にとても深く食い込んでいます。
こうした旧宗主国の企業がかつての植民地に食い込む状況に、批判的な見方があることは私も理解しています。植民地支配についてはそれぞれの国の国民にはさまざまな思いがあるでしょうし、結果的に旧植民地の産業育成が遅れかねないという懸念も理解できます。
ただ、3XP GlobalやMota Engilは人口増が続くラテンアメリカやアフリカの経済成長に欠かせない社会インフラの整備を自国に代わって進めています。しかも、過去の経済成長期とは異なるソーシャルインパクトを考慮したインフラ整備です。
日本の建設会社も人口が減っていく日本に固執するのはやめ、スペインやポルトガルの企業のように海外市場を積極的に開拓していくべきと思います。海外ビジネスにはリスクは付きもの。これを恐れていては世界で戦えません。
インデックスグループはSHIKKAI(悉皆)の精神と丹精を胸に刻み、スペインやポルトガル、フランスなど理念を共有できる企業と連携しながら、インフラPPPのプロジェクトマネジメントを世界で展開していきます。その先に見据えているのは、インフラPPPにおけるNo.1のプロジェクトマネジメント企業。ぜひご期待ください。
【2026年1月23日掲載】
※このレポートは2025年12月22日にLinkedInに掲載したものを一部編集したものになります。
その他のレポート|カテゴリから探す