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TOC五反田ビル建替え延期問題について
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【2024年4月15日掲載】
建替え事業が決定し、既にテナントが退去・3月末に閉館していた五反田のTOC(東京卸売センター)ビルが「建設費高騰及びビル賃貸市場に鑑み」建替えを延期すると4月9日に発表しました。リニューアルを経て今年9月頃営業再開の予定です。
建替えの着工時期は9年後、2033年頃としています。新たな計画では、投資効率を向上させるため、分譲レジデンシャル事業を追加することも検討していくとのこと。今後、設計プランの変更を行い、必要となる行政協議を行います。2022年4月に一度、都市計画決定の認可を受けていましたが、開発計画は仕切り直しとなります。
TOCビルは「鉄鋼王」と呼ばれ「ホテルニューオータニ」を開業させた元力士の実業家、大谷米太郎氏が、SF作家でもある星親一(星新一)氏が社長を務める星製薬の経営を引き継いだことを経て、同社ビル跡地に建設が計画されました。卸売業の店舗が集まる珍しい形態の商業施設で、昭和の全盛期にはサンリオの本社等が入居しました。
今年3月末の閉店にあわせ退去したテナントからは、わずか9日後の営業再開ニュースという急転直下の展開に驚きと困惑の声が上がっています。移転には引越し費用や新たな店舗の敷金・保証金等多額の費用が掛かるため、TOCビルに戻りたくても戻れないというテナントも出ているようです。
建設業界のいわゆる「2024年問題」=働き方改革を実現する時間外労働の上限規制等が今月から施行されました。活発な不動産市況の中、大阪関西万博に加え能登半島地震の復興需要も高まり、建設業界の人手不足はますます深刻になっています。担い手不足は建設コストの高騰に直結します。TOCビルの建替え延期にはこうした背景があり、今後は他のプロジェクトにも同様の動きが出てくる可能性があると言えます。
当社インデックスグループが携わるプロジェクトでは、このような事態を防ぐための手法をお客様にご提案し、スケジュール遅延のないプロジェクト推進を目指しております。
*TOC五反田ビル概要:1970年開業、地上13F・地下3F建て、延床面積174,013㎡。卸売業や流通業を支える五反田のランドマーク。運営は株式会社テーオーシー。
WRITERレポート執筆者
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橋詰 健
インデックス シニアアナリスト
都市計画、都市開発のコンサルタントとしてキャリアをスタート。当社では再開発事業、マンション建て替え等のPMを経て、東日本大震災の復興プロジェクトを経験。現在はCSR担当として3つの一般社団法人を運営するほか、経営企画にも参画。専門的な知見を活かし、社会課題の解決に貢献するソリューションを提供します。
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