INTERVIEW社員インタビュー

池戸 あいり 

インデックス ストラテジー
ディレクター

建築やPPPの知識がなかった私が入社から8ヶ月でガーナの高速道路のMoUを獲得するまで

インデックスコンサルティングは2019年9月に、アフリカのガーナ共和国の道路・高速道路省と一つのMoU(基本合意書)を締結しました。ガーナにおいて官民連携(PPP)の手法で有料道路の維持管理や新規建設を進められるかどうかを調査するという基本合意です。その後、ガーナのプロジェクトはJICA(国際協力機構)の協力準備調査(PPPインフラ事業)に採択されました。

ガーナの有料道路PPPプロジェクトはまだ予備調査の段階ですが、海外の有料道路において日本の企業がPPPプロジェクトに参画したケースはありません。FS(フィージビリティスタディ:実行可能性調査)をクリアし、日本企業を中心したコンソーシアムが有料道路のPPPを受注できれば、日本のPPPの歴史の中で、画期的な事例になることは間違いありません。

このガーナ政府との基本合意において、とても重要な役割を演じたのが、インデックスストラテジーで取締役を務める池戸あいりさんです。入社は2019年1月で、過去にPPPプロジェクトに関わった経験はありません。そんな池戸さんが今回の大仕事を実現したのは、彼女の熱意と社内のサポートがあったから。ガーナの有料道路PPPの概要や、インデックスコンサルティングに入社した理由について、池戸さんに聞きました。

ガーナ政府との合意について、教えてください。
インデックスコンサルティングは官民連携(PPP)の手法を用いて、新興国や途上国の社会インフラ支援をサポートしています。今回の案件は、ガーナの高速道路や有料道路の維持管理や新規建設するにあたり、民間の技術や資金を導入して取り組むことが可能な、採算の取れる路線があるかどうかをインデックスが主体となって調べ、プロジェクトを推進していくという合意です。
予備的な調査で採算性が取れる路線があれば、その路線に絞って詳細な交通量や法的リスクなど様々なことを調べる本格調査に移行します。それでも問題がなければ、インデックスがプロジェクトマネージャーとなって20年、30年といった長期間にわたる運営に参加する企業を募集し、運営権の取得、つまりコンセッションの獲得を目指します。もちろん、維持管理などの運営だけでなく、既存路線の拡幅や新規路線の建設を手がける可能性もあります。

ガーナの予備調査は、JICAの協力準備調査に採択、3000万円の補助金を得ました。こういった予備調査でJICAの採択を得るのは珍しいと聞いています。
海外における社会インフラの予備調査でJICAの補助金を得たプロジェクトは過去に70件ほどありましたが、実際のプロジェクトに至ったのはわずか1件でした。補助金の効果に厳しい目が注がれる中、JICAもプロジェクトの中身を厳しく精査するようになっていたんです。その中で今回のプロジェクトがJICAの採択を得ることができたのは、それだけ将来性を評価してもらえたということだと思います。

ガーナ政府とはどういう交渉をしたのでしょうか。
もともとはJAIDA(アフリカインフラ協議会)のイベントでガーナに行ったことがきっかけです。その時に、ガーナの鉄道省や財務省、高速道路省の幹部とコネクションを作り、「ブラウンフィールド(既に稼働している有料道路の運営、拡幅などを意味する言葉)のコンセッションであれば日本企業が参加する可能性はありますよ」と伝えたんです。先方の反応はなかなかありませんでしたが、日本企業の関心や国交省のサポートについて発信しているうちに、こちらの本気度を感じ取ってくれたようで、高速道路の「ショートリスト」を出してくれるようになりました。

インデックスコンサルティング 池戸あいりショートリストとは何でしょうか?
ショートリストというのは、採算が取れそうな有望な路線がまとめられたリストのことです。通常、新興国や途上国の政府はPPPに出してもいいリストをまとめています。これを通常「ロングリスト」と言います。ただ、ロングリストは玉石混淆で、地元企業が引き受けなかったような、採算性の厳しいPPP案件や公共工事も多数、含まれています。海外のインフラプロジェクトはただでさえ難しいもの。それなのに、そもそも採算性に乏しい案件に手を出せば、成功することはできません。そこで、相手政府と交渉して、もっと条件のいい案件を出してもらう必要があります。そうして出してもらったのがショートリストです。

 

各国政府とコネクションを作り、有望な案件を抽出することが池戸さんの役割ですか?
今はそうです。この後、予備調査や本格調査を経て、実際にプロジェクトとして進められる段階になれば、建設会社や金融機関など、プロジェクトに参画するコンソーシアムを組成します。私がやるかどうかは分かりませんが、実際にプロジェクトが動き始めれば、その国にSPC(特別目的会社)を作り、実際の運営にも携わります。

ガーナ以外にどんなプロジェクトを進めているのでしょうか。
有望なプロジェクトの一つとして、ベトナムの高速道路があります。ベトナム・ホーチミンに新設されたロンタイン国際空港とホーチミンを結ぶ全長55キロの高速道路です。この路線は既にベトナム高速道路公社が管理・運営していますが、ロンタイン国際空港の建設に伴う需要増を見越して、ベトナム政府は8車線に拡幅しようとしています。その拡幅にかかる建設コストをまかなうため、高速道路の運営権を一定期間、民間企業をベースにしたコンソーシアムに売却するという計画です。

フィリピンの有料道路プロジェクトも楽しみな案件の一つです。フィリピンの大手財閥、サンミゲル・コーポレーションはマニラ首都圏の高速道路を拡幅、延伸する計画を持っています。そこに、日本企業がコンソーシアムを組んで参画するというプロジェクトです。それ以外にも、ペルーやインド、アメリカ・テキサス州など可能性のあるプロジェクトはいろいろとあります。社内のリソースが足りないのが最大の問題ですね。

現在はPPPクリエイターという仕事を切り拓いていますが、前職では何をしていましたか?
前職は日本の給水設備会社です。営業として新卒で入社した後、シンガポールに進出するというので、シンガポール拠点の立ち上げに加わりました。ただ、その会社が上場を目指す過程でシンガポール事業から撤退することになり、転職を考えたという経緯です。

その中でインデックスコンサルティングを選んだのはなぜでしょう。
やはり私の夢に同意してくれた植村社長がすべてですね。
私は小学校時代にインドネシア、中学・高校時代にフィリピンで暮らしていたこともあり、途上国の貧困解決など社会貢献に関わる仕事につきたいと思っていました。PPPは民間の資金や技術を使って新興国や途上国の生活基盤を向上させる取り組みです。社会インフラPPPについてはあまりよく知りませんでしたが、PPP事業を通して、新興国や途上国に貢献したいと思ったんです。

こういった夢を社長面談の場で話した時に、「夢が一緒だね」と植村社長が言ってくれました。
これまでも、途上国の貧困支援については話をしていましたが、たいていは「それってNGOの仕事だよね」と言われて終わりでした。確かに、貧困支援はビジネスと結びつきにくい世界かもしれませんが、NGOではなく、ビジネスと社会貢献の両方を実現したいと思っていました。社会インフラPPPであればそれが実現できます。植村社長も真正面から受け止めてくれた。これはもう、ここしかないかな、と。

社会インフラPPPに関する業務知識はあまりなかったような……。
全くないです(笑)。PPPについては今も勉強中です。
入社は2019年1月なので、ガーナ政府との基本合意を取ったのはまだ8ヶ月の時です。この会社の懐の広さがあったから大きな仕事を任せてもらえたんだと思います。インデックスは挑戦する場が数多くあり、入りたての新入社員でもやる気があれば、さまざまな挑戦をさせてくれる会社です。
今も同僚や先輩に迷惑をかけていますが、現場で場数を踏むことで、ものすごい勢いで成長している実感があります。私自身、英語がネイティブだという利点はありますが、ガーナ政府との交渉を入社数カ月の私に任せることなんて普通はないと思います。とても意気に感じますし、もっとPPPを深く学んでインデックスと世界に貢献したいと思います。

※2020年2月時点

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