REPORTレポート
面白いほどよく分かるファシリティマネジメント講座
ファシリティマネジメントの普及実践推進機関の活動紹介|面白いほどよく分かるファシリティマネジメント講座04
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前回まで3回にわたって、FMの概要をご説明してきましたが、日本においてこのFMを広く普及しその実践を奨励推進している公的機関をご紹介します。
FMを推進する団体:日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)
日本においてFMを広く普及・定着・発展させ、ファシリティマネジャーを育成推進する機関として、当時の建設省(現 国土交通省)と通商産業省(現 経済産業省)の協力の下、1987年に、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA Japan Facility Management Association)が設立されました。JFMAは、FMに特化した日本で唯一の公的機関であり、2012年に公益社団法人化され、現在約200社の法人会員と600名を超える個人会員を有する団体となっています。
世界各国にJFMAと同様の機能を持つ機関があり、米国を中心としてグローバルにFM普及推進活動を行っているのがIFMA(International Facility Management Association)、イギリスのBIFM(British Institute of Facilities Management)、韓国のKFMA(Korean Facility Management Association)といった具合です。
JFMAの活動には、FMに関する様々な分野の調査研究を行う研究部会の運営や、ファシリティマネジャー育成のための認定ファシリティマネジャー資格制度(CFMJ)の実施、日本ファシリティマネジメント大会(通称JFMAフォーラム)の開催、「日本ファシリティマネジメント大賞」表彰制度の運営、JFMAジャーナルをはじめとするFM関連出版物や書籍の編集や出版などがあります。
JFMAフォーラムは、年1回2月に数日間にわたって開催され、FMに関わるいろいろな講演・研究発表・展示などが行われます。毎年全国から1000人を超える参加があり、年1回、官・民・インハウス・サプライヤーなどいろいろな立場のFM関係者が一堂に交流できる場として、大変な盛況を呈しています。
2003年3月に、米国を中心にグローバルなFM普及活動を展開しているIFMAの主催で、アジア初のFMフォーラムが、横浜パシフィコで華々しく開催され、それを受けて2006年度(2007年2月)からJFMA主催のJFMAフォーラムが開催されるようになり、今年2022年に16回目を迎えます。
2003年3月に、米国を中心にグローバルなFM普及活動を展開しているIFMAの主催で、アジア初のFMフォーラムが、横浜パシフィコで華々しく開催され、それを受けて2006年度(2007年2月)からJFMA主催のJFMAフォーラムが開催されるようになり、今年2022年に16回目を迎えます。
なお、コロナ禍の影響を受け、JFMAフォーラムも、昨年2021年および今年2022年は、やむなくリモートでの開催を余儀なくされていますが、平日業務時間帯に直接会場に出かけなくても気軽に参加できること、遠隔地からも参加しやすいことから、むしろ参加者は何倍にも増えています。
FMの優秀事例表彰:日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)とは?
JFMAの重要なFM普及活動のひとつが、2006年度から毎年実施されているFMに関する表彰制度、「日本ファシリティマネジメント大賞(通称JFMA賞)」です。
「日本におけるFMの普及・発展に資するFMに関する優れた業績および功績のあった組織および個人」を、年1回表彰する、日本国内でのFMに関する唯一の表彰制度で、今年度2021年度で16回目となります。毎年4月に募集開始、8月応募締切の公募形式で行われます。集まった多くの応募先について、産官学の有識者が3か月以上にわたって厳正な審査(書類審査と現地審査など)を行い、12月に表彰先を決定発表し、2月開催のJFMAフォーラムで表彰式を行います。
「日本におけるFMの普及・発展に資するFMに関する優れた業績および功績のあった組織および個人」を、年1回表彰する、日本国内でのFMに関する唯一の表彰制度で、今年度2021年度で16回目となります。毎年4月に募集開始、8月応募締切の公募形式で行われます。集まった多くの応募先について、産官学の有識者が3か月以上にわたって厳正な審査(書類審査と現地審査など)を行い、12月に表彰先を決定発表し、2月開催のJFMAフォーラムで表彰式を行います。
日本ファシリティマネジメント大賞は、次の3部門に分かれています。
・優秀ファシリティマネジメント賞
(最優秀ファシリティマネジメント賞(鵜澤賞):初代JFMA会長故鵜沢昌和氏を記念した名称)
:FMの手法を取り入れ優れた成果をあげている活動
:FMの手法を取り入れ優れた成果をあげている活動
・技術賞:FMに関連する新しい手法・技術の取り組み
・功績賞:FMに関する優れた論文、出版その他の活動
日本ファシリティマネジメント大賞は、上記の通り、FMに関する「活動や取り組みを表彰する制度」であり、日経ニューオフィス賞(日経新聞と一般社団法人ニューオフィス推進協会の共催)のように、目に見える物理的な建物やワークプレイスを「作品として表彰する制度」ではありません。
また、これまでご説明したように、FMがカバーする分野・対象・内容がとても広範なので、それらを比較して優劣をつけるのは、なかなか難しいことも確かですが、FMとしてクリアすべき、いくつかの共通な観点をベースに、審査が行われています。
例えば、優秀ファシリティマネジメント賞であれば、下記のような観点です。
また、これまでご説明したように、FMがカバーする分野・対象・内容がとても広範なので、それらを比較して優劣をつけるのは、なかなか難しいことも確かですが、FMとしてクリアすべき、いくつかの共通な観点をベースに、審査が行われています。
例えば、優秀ファシリティマネジメント賞であれば、下記のような観点です。
①経営への貢献
②ファシリティの利用者への貢献
③FMの定着(FMサイクル実施、推進体制の整備など、総合的・持続的なFMの定着)
④時代のニーズへの対応(新規性・独創性、社会への影響、メッセージ性)
ちなみに、先ごろ、2021年12月15日に、今年度2021年度の日本ファシリティマネジメント大賞表彰結果が、下記の通り発表されました。
・最優秀ファシリティマネジメント賞(鵜澤賞):
東京都板橋区
・優秀ファシリティマネジメント賞:
株式会社 リクルート、富士通 株式会社、株式会社 竹中工務店
・特別賞:近三商事 株式会社
・技術賞:My City Report コンソーシアム
・功績賞:株式会社 オープン・エー(公共R不動産)
・奨励賞:群馬県沼田市、株式会社 日建設計
これらの受賞先はいずれも、コロナ禍で、なかなか通常のFM活動ができなかった中、取り組みを継続して成果をあげてきた優秀な直近の実践事例です。
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#01 事業活動に必須のファシリティとファシリティマネジメントとは
#02 ファシリティマネジメントとは
#03 ファシリティマネジメントの対象分野
#05 FM実践事例:日本ファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)の紹介
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WRITERレポート執筆者
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古阪 幸代
インデックスコンサルティング 顧問
富士銀行在職中に、ファシリティマネジメントに出会い、米国コーネル大学大学院で研究。シリコンバレーでのコンサルを経て、同銀行に復職し国内銀行初のFM部門を設立。コンサルタントに転身し、Genslerで東アジアの各社をコンサルした後、インターオフィス、明豊ファシリティワークス、三機工業等で代表・役員としてコンサル活動を継続。文科省・国交省・各種団体の委員・役員も歴任。自らもオフィスづくりに関わるネットワークWFMを1997年から主宰。会員600名超。一貫して、人を中心においた働きやすい環境を、経営戦略的に計画・構築・運営する戦略的FMを提唱・推進している。講演・執筆も多数。
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