REPORTレポート

代表植村の自伝的記憶

企業理念とビジネスに共感する外国人社員

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みなさま、あけましておめでとうございます。旧年中は弊社の活動を支援いただき、誠にありがとうございました。今年も、建設・インフラ関連や官民連携に限らず、社会課題の解決につながる新しい動きを発信していきたいと思っています。引き続き、インデックスグループ、ならびに植村へのご指導とご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 
また、能登半島地震に被災した地域の一刻も早い復興と生活再建を心から願っております。インデックスグループにできることがあれば、ご協力したいと思います。
 
さて、新年最初の記事はインデックスグループの外国人社員について、お話しようと思います。
 
LinkedInでの発信している効果もあってか、この1、2年で、インデックスグループでは外国籍の社員がどんどん増えています。
 
例えば、海外でのPPP(Public Private Partnership:官民連携)プロジェクトの案件発掘や実際の組成を手がけるインデックスストラテジーの場合、COO(最高執行責任者)の池戸を除く10人の社員のうち7人が外国人です。今年早々には、さらに3人の外国人が入社することになっています。
 
国籍もバラエティ豊かで、フィリピンの出身者が3人、トルコの出身者が2人、ベトナム、パキスタン、インドネシア、イタリアの出身の方がそれぞれ1人、そしてフランス出身のパートナーが1人という構成です。
 
インデックスストラテジーはビジネスの主戦場が海外ですから、外国籍の方が多いのも当然だと思うかもしれません。ただ、国内の建設プロジェクトマネジメントを担当しているインデックスコンサルティングや国内のPPPを担当する社会システムデザイン、ホールディング会社であるインデックスでも徐々に増え始めています。
 
インデックスコンサルティングでは、PM事業部に中国、CM事業部にはパレスチナ・ガザ地区出身の女性が昨年入社しました。社会システムデザインやインデックスにも、韓国や中国、イギリス出身の社員が在籍しています。また、社員ではありませんが、インデックスには中東出身の特別顧問もいます。
 
その中でも特に感じるのは、最近入社する外国籍の社員がことごとく優秀だということです。東京大学を含め、海外の一流大学や大学院での留学経験があるのは当たり前。前職も、母国では省庁や銀行などに勤めた経歴を持つ人ばかりです。
 
しかも、他の大企業からも引く手あまたなのに、あえてインデックスグループを選んでくれたという点でも驚いています。
 
正直、インデックスグループは知名度が高いわけではありません。給与も、上場企業や外資系企業と比べれば低いかもしれません。それでも、インデックスを選んでくれたのはなぜなのか。実際に話を聞いて感じるのは、私たちが掲げている企業理念と、ビジネスそのものに共感してくれているということです。
 
インデックスが大切にしている言葉

インデックスグループは、3つの企業理念を掲げています。「悉皆の精神と悉皆の丹精」「三方良しの社会を目指す」「次世代に輝く日本の実現」の3つです。
 
ここで挙げている「悉皆(しっかい)」は、聞き慣れない言葉かもしれません。これは日本の伝統的な着物づくりに端を発した言葉で、製糸や織り、染めなどそれぞれの技に長けた職人を束ね、一枚の着物に仕立てていた悉皆屋は今で言うプロジェクトマネジャーのような存在でした。
 
「悉皆の精神と悉皆の丹精」という企業理念は、顧客のありとあらゆる要望を受け止め、最高の職人を束ねながら顧客が求める着物を納めるという悉皆屋の精神をもって、プロジェクトに自分ごととして尽くすという日本型プロジェクトマネジャーへの決意表明を示した言葉です。
 
次の「三方良しの社会を目指す」は、「売り手」「買い手」「社会」の三方、私たちが関わる建設・インフラの領域で言えば、発注者、受注者、地域住民や利用者のすべてが利益とリスクを分かち合う社会を目指すということです。
 
格差の拡大が地球規模の課題になる中、近江商人に端を発する「三方良し」は、従来の自由主義的な資本主義とは異なる概念として世界でも注目を集めています。社会/公共インフラのような受益者が幅広いPPPの分野では、官・民・受益者の三方に、特に求められる考え方だと感じています。
 
私は1994年の創業以来、三方良しをビジネスにおける最も重要な考え方として大切にしてきました。社員の前でも口を酸っぱくして三方良しを唱え続けており、私にとって、悉皆と同じくらい思い入れのある言葉です。
 
そして、最後の「次世代に輝く日本の実現」。これは自分たちの代だけでなく、子どもや孫により良い社会を残すために、建設・社会/公共インフラを通して社会課題を解決し、次世代が活躍できる新たな社会をつくるという想いを言葉にしたものです。
 
一本の木が立派な材になるまでには数十年の年月を必要とします。つまり、目先の利益ではなく、自分の子どもや孫の時代のことを考えた先人たちが植えたものです。
 
日々の企業経営の中では、つい目先のことばかりを考えてしまいますが、建設・社会/公共インフラという事業領域は将来の持続可能な発展の基盤づくりという側面があります。
 
これからの時代は戦後の人口増、経済成長という時代とは異なるものになります。その状況下、格差や食料、環境などの問題解決につながる、持続可能な発展に資するプロジェクトを日本と世界で創出する。その部分を大切にしたいと思って、この言葉も企業理念に含めました。
 
世界に通じる悉皆と三方良し

インデックスグループへの入社を希望する方々に話を聞いていると、私たちが大切にしている悉皆や三方良しという部分に心から共感し、選んでくれているということが良く伝わってきます。
 
例えば、新たにインデックスストラテジーに加わる予定の3人の外国人は、三方良しという概念がこれからの世界に求められるということを明確に語ったうえで、PPPによるインフラ整備を通して、新興国や途上国の持続可能な発展に寄与したいと話していました。そのためにプロジェクトマネジャーとしてプロジェクトを組成し、悉皆屋としてグローバルの専門家を束ねるということです。
 
ここからは想像ですが、新興国や途上国で育った人々にとって、欧米諸国や欧米の企業は警戒すべき存在に映っているのかもしれません。
 
確かに、欧米諸国はさまざまな投資に積極的ですが、同時に欧米の価値観を押しつけてくる存在です。企業による投資も、地元に恩恵は与えているものの、それ以上に簒奪している、過度に利益を吸い上げているという印象を彼らが持っているようにも見えます。
 
それに対して、日本はODAを通して新興国・途上国の基盤整備に長年、貢献してきましたし、欧米のように価値観を押しつけるわけでもありません。日本政府には日本政府の意図があり、今の日本が尊敬に値する国かどうかはいろいろな意見があるでしょうが、そういった国際貢献の裏側に、日本的な価値観、すなわち三方良しを感じている外国人は少なくありません。
 
事実、国レベルではいろいろありますが、日本人が新興国・途上国の人々に好かれているというのは、さまざまな国に行って私も感じることです。国際的な今の日本の地位は、これまでのODAによる国際貢献の賜物の一つと言っても過言ではないと思います。
 
いまや日本では人手不足が深刻です。インデックスグループも、優秀な人材を確保するのに苦労してきました。ただ、世界に発信できる企業理念や哲学があり、それが実際の事業と結びついているのであれば、逆に世界中からどんどん優秀な人材が来る時代になったと痛感しています。
 
もちろん、英語でのコミュニケーションや海外の方が働きやすい職場環境の整備などハードルもたくさんありますが、その部分がクリアできれば、日本企業も「次世代に輝く世界の実現」を志す若者を世界中から集めることができるのではないでしょうか。私たちも、もっと海外の人が来たいと思うようなインデックスグループにしていくことをお約束します。

【2024年1月19日掲載】
※このレポートは2024年1月4日にLinkedInに掲載したものを一部編集したものになります

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