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CM方式導入のハードルを乗り越える
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【2024年4月8日掲載】
0. はじめに
このコラムでは、とある政令市で建築職公務員として公共建築の発注者業務に従事した経験を持つ筆者が、公共建築プロジェクトにCM(コンストラクション・マネジメント)方式を導入するメリットを解説していきます。
現場のリアルな悩みの解決に役立つものにしたいとの思いから、私の個人的経験に基づいた主観的な解説となっておりますので、ご了承ください。CM方式の一般的な解説については、こちらをご覧ください。
現場のリアルな悩みの解決に役立つものにしたいとの思いから、私の個人的経験に基づいた主観的な解説となっておりますので、ご了承ください。CM方式の一般的な解説については、こちらをご覧ください。
テーマは「CM方式導入のハードルを乗り越える」です。CM方式は、公共建築プロジェクトではまだ採用事例が多いとは言えません。行政の現場で、CM方式を導入するにあたってのハードルを乗り越える方法を考えます。
1. 私の経歴
本題に入る前に、少しだけ私の経歴に触れておきたいと思います。
建築職の公務員としてキャリアをスタートした私ですが、学生時代はいわゆる「意匠系建築学生」で、建築家になることを目指して日々過ごしていました。
転機となったのは所属する研究室で行っていた公共建築に関する調査研究に参画したこと。さまざまな人の話を聞くうちに、「建築の発注者になれば、自由に建築を構想することができる」と思い至りました。
転機となったのは所属する研究室で行っていた公共建築に関する調査研究に参画したこと。さまざまな人の話を聞くうちに、「建築の発注者になれば、自由に建築を構想することができる」と思い至りました。
公共建築整備の現場では、発注担当部局の職員が設計条件を設定し、設計事務所がそれに基づいた設計を行う形が一般的です。そのため発注者の決定1つで、できあがる建築の形は大きく変わることになります。もちろん大きな責任を伴う行為ではありますが、同時に大きな魅力を感じました。
無事に公務員となった私は、希望通り市有施設の発注者業務に従事しました。実際の仕事では、前例主義や上位下達型組織の壁を感じることはあったものの、ある程度は自分の想いを実現することができたと自負しています。
その後は人事異動のタイミングで公務員を退職し、建築設計事務所での勤務を経て、インデックスグループの1つであるインデックスコンサルティングに入社し、現在に至ります。CMr(コンストラクション・マネージャー)の職責は、「発注者の代理人」として建築プロジェクトを成功に導くことです。建築職公務員としての経験を存分に発揮することができる、私にとって天職だと感じています。
2. CM方式導入のハードルを乗り越える
最近は公共建築プロジェクトにCM方式を導入する事例も少しずつ増えていますが、それでも積極的に導入されているとは言い難いです。1つの大きな理由として、「CM方式を導入することに対する、内部の理解を得られない」という状況があるのではないかと考えています。
行政の現場で、“前例”のない新しいことを始めようとすると、担当者レベルではそのメリットを感じているものの、上司や関係部局から「それって本当に必要なの?」と言われてしまうことが往々にしてあります。
“前例”は、その結果を高い確度で予測することができます。ミスをしないことが評価される行政の世界では、“前例”は心強い武器となります。逆に前例のないことは、その結果を見通すことができないため、敬遠される傾向があるのです。
“前例”は、その結果を高い確度で予測することができます。ミスをしないことが評価される行政の世界では、“前例”は心強い武器となります。逆に前例のないことは、その結果を見通すことができないため、敬遠される傾向があるのです。
CM方式に話を戻すと、そもそもCM方式が導入され始めたのは最近のことです。そのため、“前例”を持つ自治体は非常に少ないことでしょう。それを乗り越えるためのポイントは何か。私は、関係者の皆さんがCM方式のことを“正しく”理解することが重要だと考えています。
建築プロジェクトにおいて、設計は「設計条件から建物の形を考え、それを図面に描き表すこと」・施工は「図面に基づいて建物を完成させること」と、その役割を明確に示すことが可能です。
一方、CMrの役割は「発注者の代理人として、その業務をサポートすること」であるため、その業務領域は発注者様が必要と考えているもの全てとなります。また、お客様が何を求めているかによっても業務内容が大きく変わってきます。
一方、CMrの役割は「発注者の代理人として、その業務をサポートすること」であるため、その業務領域は発注者様が必要と考えているもの全てとなります。また、お客様が何を求めているかによっても業務内容が大きく変わってきます。
この“前例”の少なさとCMrの職域の広さが相まって、CM方式に対するイメージは人によってバラバラなのではないでしょうか。
その前提に立つと、CM方式導入のハードルを乗り越えるためには、CMrから提供を受けたいサービスを具体的に思い描き、それを関係者間で共有して、CM方式導入の是非についての議論の土台をつくることから始めるのが良いと考えます。
その前提に立つと、CM方式導入のハードルを乗り越えるためには、CMrから提供を受けたいサービスを具体的に思い描き、それを関係者間で共有して、CM方式導入の是非についての議論の土台をつくることから始めるのが良いと考えます。
民間建築プロジェクトであれば、まずお客様の悩みをざっくばらんにヒアリングしてCMrとして提供できるサービスのご提案→内容合意の上でご契約という流れをとることができます。
一方、公共建築プロジェクトの場合、業務を告示する時点でCMrに何を委託するかを明確にする必要があります。
発注者業務の内、自分たちではできないこと・外部委託した方が効率的(例えば人件費が削減できる等)なことを仕分けして、まずはどの業務をCMrに委託することが効果的であるかを把握することが重要になりますが、いきなりやろうとしても難しいものです。公共調達なので、公平・公正を期すことが大前提となりますが、弊社ではCM方式導入前のご相談も承っていますので、お気軽にご連絡ください。
一方、公共建築プロジェクトの場合、業務を告示する時点でCMrに何を委託するかを明確にする必要があります。
発注者業務の内、自分たちではできないこと・外部委託した方が効率的(例えば人件費が削減できる等)なことを仕分けして、まずはどの業務をCMrに委託することが効果的であるかを把握することが重要になりますが、いきなりやろうとしても難しいものです。公共調達なので、公平・公正を期すことが大前提となりますが、弊社ではCM方式導入前のご相談も承っていますので、お気軽にご連絡ください。
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